創業1918年 京都サンボアへ

3/31/2014

友人と京都寺町アーケード街を歩きながら、
そろそろ晩ご飯でも食べようかしらと探していたところ
重厚な雰囲気漂うお店が一軒ありました。





壁に敷き詰められた濃く引き締まった色のレンガや
懐しい味のあるフォントで書かれた看板、
そのえも言われぬ風情がなんとも言えず魅力的で、
心を奪われてしまいました。。。



見るからに入りづらく...何度ウロウロしたことか...
入口でソワソワしていたら、マスターが手招きしてくれたきっかけで入店することができました。
京都サンボアは1918年(大正7年)創業の老舗バーだそうで、
ルーツを知れば知るほど、あの日勇気を出してよかったと思うばかり。

サンボアについて調べてみると、
雰囲気に合わないお客さんは来なくてもいいスタイルだとか?!
あの日一見の私たちを快く迎えてくれて、なんとありがたい...

カジュアルなバーならいつものお気に入りカクテルを注文すればいいのだけど、
こちらはメニューもなければ、選び方も分からない。

こんな老舗バーでは背伸びをせず素直になることだ!
ということで、マスターに「こんな私たちでも飲みやすいお酒をください」と
無茶なオーダーを頼んでみましたら、
ニッカの竹鶴12年を出してくださり、ええもちろんロックでいただきました。



一口舌の上で転がすと、
濃厚なフルーツケーキを食べているような洋酒の甘〜い香りが口や鼻へと抜けていき、
はぁ、、、心から「 染・み・こ・む 」と感じるお酒でした。

喉が焼けるような強さではなく、まろやかな口当たりが飲みやすくてついついハイペースに...
そんな私たちを見兼ねて
「急いで飲んだら足を取られるよ」とミネラルウォーターを出してくれました。



ちょっぴりほろ酔いになりながら、先客のおじ様とも談話を楽しみました。

その方は北海道から来られた方で、
学生時代から、ここサンボアに一度は寄りたいと思っていたという。
お嬢さんが京都の大学に入学が決まったので、
今日は一人暮らしをする家の視察に来たとおっしゃっていました。

もう会うこともないかもしれない方と初めての会話をしている時も
マスターはずっとコップを磨きながら、時々相槌を打っていました。
こんな風に数々の出会いをずっとずっと見てきたのかな、と思うと
ますますこのお店の息吹に「人生」を感じずにはいられません。



BGMもなにもない店内で聞こえる
カランと澄んだ氷の音と、
お酒を注ぐトクトクという心地良い音が
否応なしに胸を弾ませる大人の時間。

日常では、2回目の成人式を迎える大人の私ですが、
この日はとても貴重な体験をさせていただいたような気がして
大人って悪くないな、と思える日でした。

本物の大人に近づくために、たまにはこんな勇気を出してみるのもいいですよ。
なんてね。

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