大阪・国立美術館での「草間彌生・永遠の永遠の永遠」展へ行ってきました

4/08/2012

草間彌生さんの力強い眼力、独特な色彩、吸い込まれる点と線、奇抜なファッションに魅了され、
期待を膨らませながら国立美術館へ行ってきました。

草間彌生さんはなぜ水玉を描き続けるのか?
今日、その意味がわかりました。




美術館に着けばもうすぐにわかります。


受付入り口に行くまでにもたくさんの水玉が。


タイポグラフィが素晴らしくかっこいい。
草間彌生さんを代表するモチーフがバランスよく使われていて
入場する前から足を止めて見つめてしまいました。


こちらのオブジェは”大いなる巨大な南瓜”という作品タイトルだと初めて知る。
今では「直島のかぼちゃ」の方が認知されているのかもね。

美術館では珍しく、会場内3箇所に撮影可能なプレイスが設けられていて、
そこではほぼ全員の方が被写体にカメラを向けていました。
その姿がなんとも滑稽で不気味な雰囲気でした、、


こちらは”チューリップに愛をこめて、永遠に祈る”という作品タイトルがついていました。
真っ白な壁に赤いドット模様が付いたワンルームに入ったのは初めてでした。


あとに続く、まるで宇宙空間のような ”魂の灯”(人数制限、時間制限あり)も
ドクドクと血圧が上昇するような高揚を感じて、長くそこにはいられなかった。
生きてるような、死んでいるような、不思議な空間でした。

”愛はとこしえ”と名付けられた展示ブースには、
カンバスいっぱいにマーカーで描かれた水玉と網目模様のモノクロな世界が50点飾られていて、
大量の生き物や顔が押し寄せてくる奇怪さがあり、
その幻覚が心の闇を映し出しているようで、恐ろしさから目を覆ってしまうこともありました。


草間彌生さんは自殺と向き合いながら生きてこられ、
現在も精神病院からアトリエに通いながら、自らの芸術を貫いています。

作品タイトルからもところどころに出てくる「自殺」「死」「心」「生命」の文字が印象的だけども
毎日誰よりも死を感じて生きている人だからこそ
抽象画ではあるが具象画のようなリアリティが私たちを震えさせるのだな、と感じました。


展示の終盤に13分ほどのショートフィルムを観ました。
「ピカソもウォーホルも出し抜いて、トップの作家になりたい。一番になりたいのよ」って
魂を燃やしつくすような視線で言っていたシーンが忘れられません。

その反面、「自殺したい、自殺したい、自殺したいと想い続けて、それを止めるために描いている」
こんな衝撃的な言葉も心に深く残りました。

彼女にとっての絵画とは、楽しいことや感じることの表現というよりも
子どもの頃から繰り返し襲われ続けてきた
幻覚や幻聴の恐怖から逃れるための儀式なんだと知りました。
耳なし芳一が幽霊から身を守るために全身をお経で埋め尽くしたように。


会場のショップで図録とポストカードを購入しました。
草間彌生さんの深い深い言葉を何度も読み返せるのはいいけれど、
作品はやはり、原画の美しさや発色、迫力には敵いません。

ぜひ機会があれば肉眼で見て欲しい。
83才の草間さんから強いパワーを十分に受けて、永遠と思えることに喜びを感じて欲しいです。

▼ 草間彌生 永遠の永遠の永遠

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